茶道で良く耳にする「一期一会」（いちごいちえ）
という言葉。
”一生に一度の出会いを大切にする”
というこの言葉、
実はこれはお茶席だけの話ではありません。
家族や友人との会話、
日々の小さな時間にも生かせる心のあり方です。
一期一会とはどんな言葉？
”いま、この瞬間の出会いを一生に一度のものとして大切にする”
一見難しく感じますが、実はこの心は、
私たちの毎日の暮らしの中にも存在しています。
茶道で大切にされる”今この瞬間”のこころ
お茶席では、お客様をお迎えするために、
道具を清め、水を汲み、花を生け、お菓子を選び、
炭で湯を沸かす。
そのすべてに
「今日この人のために」
という気持ちが込められています。
お点前が上手にできるかよりも、
その一服を”心を込める”ことが大切。
だからこそ、たった一碗のお茶に、
人と人とのつながりが生まれるのです。
家族や友人、大切な人との日常に取り入れて
「今日この人のために」
は、特別なお茶の席だけのものではありません。
たとえば、朝の「いってらっしゃい」や
友人との会話、
レジでの「ありがとうございます」も、
そのとき、その瞬間だけの出会い。
明日も同じように会えると思っていても、
同じ気持ち、同じ空気で過ごせる時間は二度とありません。
まったく同じ時間はないと思うと、
その瞬間、瞬間がとても大切に思えます。
スマホ越しの会話にも”茶の心”を添えて
スマートフォン越しのやり取りや会話でも同じです。
画面の向こうにいる相手の時間を思うこと。
短い言葉にも「今日この瞬間を大切に」
という心を添えるだけで、
人との関係がやわらかく、暖かく変わっていきます。
「一期一会」は、特別な茶室の中だけでなく、
毎日の暮らしの中でこそ輝く言葉です。
”今この瞬間のご縁”として丁寧に味わいたいですね。
まとめ
お茶が教えてくれる「いまを大切に生きる」
という静かで丁寧な生き方。
忙しい毎日の中でも、ふと立ち止まって深呼吸するだけで、
その心はすぐそばに寄り添っています。
今日という日、同じ時間、同じ空気を共有するのは一度きり。
そう思うだけで、人との関わりが少し優しく、大切になります。
「一期一会」は、どんな時代にも通じる心の作法です。